【145A】L is B

2026/09/21

企業分析

t f B! P L

企業概要

株式会社L is B(エルイズビー、証券コード:145A、東京証券取引所グロース市場)は、東京都千代田区に本社を置く建設現場などの「現場」向けDX(デジタル化)サービスの会社です。2010年に静岡県焼津市で設立され、2024年3月26日にグロース市場へ上場しました。決算期は12月で、2025年12月期が第16期です。社名は「Life is Beautiful」に由来し、ミッションは「アイデアとテクノロジーで人々を笑顔にする!」です。創業者の横井太輔氏が代表取締役社長CEOを務めています。

主力は、2014年10月に提供を開始した現場向けビジネスチャット「direct(ダイレクト)」です。LINEのようなチャットで、現場の担当者、協力会社、事務所のあいだで写真や連絡をやり取りできます。これに、現場写真をクラウドで共有する「タグショット/タグアルバム」、作業ノウハウを動画で共有する「ナレッジ動画」、AIによるFAQボット、DXコンサルティングなどを組み合わせて販売しています。主な顧客は建設業で、小売、インフラ、運輸などにも広がっています。自治体や信用金庫向けには、販売パートナーを通じたOEM(他社ブランドでの提供)も行っています。

ビジネスモデルの特徴は、月額利用料を積み上げるストック型(サブスクリプション型)であることです。2025年12月期末のストック売上比率は92.5%、2026年6月末は95.3%でした。ストック売上比率とは、売上全体のうち毎月安定して入ってくる月額課金収入が占める割合で、高いほど収益が安定しやすいとされます。

連結子会社は4社です(2026年6月時点)。

  • 株式会社システム・エムズ:2024年11月に取得した子会社です。
  • IU BIM STUDIO株式会社:BIM(建物の3次元設計データを活用する手法)を扱う会社で、2025年10月31日に取得しました。
  • directX Ventures株式会社とdirectX Ventures 1号投資事業有限責任組合:スタートアップ投資を行う会社とファンドで、2025年に設立されました。

事業セグメントは、「DXソリューション事業」と、2025年12月期から加わった「投資事業」の2つです。従業員は連結で185名(2024年12月末は121名)です。提出会社単体では117名、平均年齢36.3歳、平均年間給与は約689万円です。

業績・財務情報

直近の業績(12月期)

同社は2024年12月期から連結決算を開示しているため、連結の2期分と、単体の5期分を分けて示します。

連結業績

項目 2024年12月期 2025年12月期 増減
売上高(億円) 15.94 21.33 +33.8%
営業利益(億円) 0.47 1.69 +257.9%
経常利益(億円) 0.19 1.47 約7.9倍
親会社株主に帰属する当期純利益(億円) 0.13 1.39 約10.6倍
1株当たり当期純利益(円) 2.67 27.09 ―
1株当たり純資産(円) 333.48 360.57 ―
自己資本比率 63.1% 53.9% ▲9.2ポイント
ROE(自己資本利益率) 0.8% 7.8% ―

※億円表記は千円単位の実数を小数第3位で四捨五入したものです。2024年12月期の営業利益(約4,726万円)は、経常利益・営業外損益から逆算した当レポートの計算です。

提出会社単体の5年間(第12~16期)

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高(億円) 7.71 9.71 12.80 15.94 19.14
経常利益(億円) ▲3.13 ▲2.66 0.32 0.49 1.65
当期純利益(億円) ▲3.36 ▲3.16 0.46 0.43 1.67

単体の売上高は、4年間で7.71億円から19.14億円へ約2.5倍になりました。2021~2022年は赤字でしたが、2023年12月期に黒字化し、以後は黒字が続いています。

2025年12月期(第16期)のポイント

売上高は前期比+33.8%の21.33億円でした。会社は、主力の「direct」の契約が積み上がったこと、前期に加わったシステム・エムズの通期寄与、2025年10月末に加わったIU BIM STUDIOの寄与を挙げています。売上原価は+40.7%、売上総利益は+30.0%、販売費及び一般管理費は+19.1%でした。販管費の伸びが売上の伸びを下回ったことが、営業利益の大幅増につながっています。

会社は、M&A関連の一時費用(IU BIM STUDIOの取得に伴うアドバイザリー費用など約3,321万円)を除いた「調整後営業利益」も開示しており、2025年12月期は2.02億円(前期比+162.3%)です。営業利益(1.69億円)との差が、この一時費用にほぼ相当します。

営業利益(1.69億円)から経常利益(1.47億円)への差は、主に営業外費用2,677万円によるものです。内訳には、借入の増加に伴う支払利息1,537万円と、投資事業組合の運用損1,140万円が含まれます。

当期純利益(1.39億円)は税金等調整前当期純利益(1.47億円)との差が小さく、税負担が約6%と軽い水準でした(当レポートの計算)。今後も同じ水準が続くとは限らないため、EPS(1株当たり利益)の伸びは、税負担の変化も含めて見る必要があります。

売上総利益率は62.9%、販管費率は54.9%、営業利益率は7.9%です(当レポートの計算)。

2026年12月期 中間期(1~6月)の状況

項目 2025年1~6月 2026年1~6月 増減
売上高 10.28億円 13.72億円 +33.4%
(うちストック売上) 8.48億円 11.99億円 +41.4%
営業利益 0.93億円 1.51億円 +63.1%
経常利益 ― 1.34億円 +62.3%
中間純利益 ― 1.13億円 +84.7%
営業利益率 9.0% 11.0% +2.0ポイント

※ストック売上の増減率は、千円単位の実数から当レポートが計算しました。営業利益率も当レポートの計算です。

上期は、増収率(+33.4%)を上回って営業利益が伸び、営業利益率が11.0%へ上昇しました。会社は、「direct」のID数の増加、連携サービスのクロスセル(追加販売)、2026年4月に実施した「direct」の価格改定、IU BIM STUDIOの通期寄与を要因に挙げています。価格改定の効果は、前受けの性格をもつ契約負債が期首の約0.48億円から約1.18億円へ増えていることからもうかがえますが、その内訳は開示資料からは分かりません。

KPI(重要指標)は次のとおりです。

指標 2025年12月末 2026年6月末
ARR(月額のストック売上×12) 18.80億円 21.28億円
契約社数(OEMを除く) 696社 711社
ストック売上比率 92.5% 95.3%

注意点:2025年12月末のARRは「提出会社単体」の数値、2026年6月末は「中間連結会計期間の末日」の数値と記載されており、集計範囲がそろっていない可能性があります。両者を単純に比べて「半年で+13%」と読むのは避けるのが安全です。契約社数は半年で15社増えており、伸びは緩やかです。増収の主因は、契約社数の増加よりも、1社あたりのID数・単価の上昇と考えられます(当レポートの仮説。契約社数の伸びが小さい一方で売上が3割超伸びていることからの推測です)。

通期予想に対する進捗

会社は2026年12月期の連結業績予想を、2026年8月14日時点でも据え置いています。

項目 通期予想 上期実績 進捗率
売上高 28.23億円(+32.4%) 13.72億円 48.6%
営業利益 2.66億円(+57.8%) 1.51億円 56.8%
純利益 1.80億円 1.13億円 62.6%

※進捗率は当レポートの計算です。

通期予想から上期実績を引くと、下期は売上高約14.5億円、営業利益約1.15億円(営業利益率約7.9%)が織り込まれていることになります。上期の営業利益率11.0%より低い水準です。この差については、開示資料に説明がなく、当レポートの仮説として次の見方ができます。

  • 保守的な予想を据え置いている可能性:上期の利益率が高い状況で、下期に人員増やM&A関連コストを見込んでいるだけかもしれません。
  • 下期の先行投資:会社は研究開発(2025年12月期は約1,540万円、新設の「現場AIラボ」)や採用に取り組んでいます。

いずれにせよ、上期時点で営業利益はすでに通期予想の約57%に達しており、予想を上回る余地はあります。ただし、これは予想の修正を約束するものではありません。

財務の状態(2026年6月末)

項目 2025年12月末 2026年6月末
総資産 34.26億円 34.44億円
純資産 18.48億円 19.78億円
自己資本比率 53.9% 57.4%
現金及び預金 17.79億円 17.40億円
借入金(長期+1年内返済予定) ― 約11.03億円
のれん 4.87億円 4.60億円

※借入金は、長期借入金9.67億円と1年内返済予定の長期借入金1.36億円の合計です。

キャッシュフロー(2025年12月期)は、営業CF+1.78億円、投資CF▲10.80億円、財務CF+4.44億円でした。投資CFの大部分は、IU BIM STUDIOの取得(子会社株式取得の支出4.96億円)、定期預金の預け入れ(3.04億円)、投資有価証券の取得(2.78億円)です。財務CFでは新規の長期借入7.50億円(返済2.76億円)があり、当レポートの見方では、手元資金と借入がこれらの投資の原資になったと考えられます。

2026年上期は、営業CFが+1.41億円、投資CFが▲0.43億円、財務CFが▲1.38億円(借入金の返済が中心)で、現金及び現金同等物は13.74億円でした。営業CFと投資CFを合わせたフリーキャッシュフローは約+0.99億円のプラスです(当レポートの計算)。

成長戦略・将来性

会社が掲げる経営上の目標は、ARRの拡大です。ARRを高めるために、(1)新規の契約社数を増やすこと、(2)既存顧客で契約現場数・ID数を増やす「アップセル」、(3)連携ソリューションを追加販売する「クロスセル」による1社あたり単価の向上――の3つを重視しています。

事業環境については、有価証券報告書が次の点を挙げています。

  • 建設業の人手不足の深刻化と、時間外労働の上限規制などへの対応が求められていること。
  • 国土交通省が2023年度から公共事業でBIMの原則適用を始めるなど、設計から維持管理まで建設プロセスのデジタル化が進んでいること。

こうした流れの中で、「direct」を軸にした現場DXの需要は続くと会社は見ています。BIM関連のIU BIM STUDIOの取得は、この流れに対応した動きです。

成長のための取り組みは次のとおりです。

  • 「direct」の価格改定とクロスセル:2026年4月に価格改定を実施しました。
  • M&A:システム・エムズ(2024年11月)、IU BIM STUDIO(2025年10月)と、2年続けて取得しています。IU BIM STUDIOの取得価額は5.5億円(現金)で、業績達成に応じて追加の対価(アーンアウト)を支払う条件が付いています。追加の支払いが発生した場合は、取得価額とのれんを修正する方針です。
  • AI関連の研究開発:新設した「現場AIラボ」で、生成AIなどを使った新サービスを開発しています。
  • スタートアップ投資:投資事業として、シナジー(相乗効果)または財務的なリターンが見込める企業へ投資しています。投資有価証券の残高は2026年6月末で4.45億円です。投資事業のセグメント損益は、2025年12月期が▲966万円、2026年上期が▲543万円と小さな赤字が続いています。投資の上限額や減損の判断基準は、今回確認した資料には記載がなく、投資残高が増えた場合の損失リスクは今後の開示で確認する必要があります。

IU BIM STUDIOの取得効果は、有価証券報告書の開示では、同社が期首から連結されていたと仮定した場合の売上高への影響概算額が4.08億円とされています。ただし、営業利益への影響概算額は2,648万円にとどまります。通期で寄与し始める2026年12月期に、この規模の売上が乗ってくることが、増収予想(+32.4%)の一因と考えられます(当レポートの推測)。

ここまでの成長は、新規顧客の急増というよりも、既存顧客での単価・ID数の拡大とM&Aによる積み上げが中心であるように見えます。M&Aによる売上は買収後1年間は増収に効きますが、その後は自力の成長率が問われます。2027年12月期以降にどこまで成長率を維持できるかが、一つの注目点です。

株主還元

同社は創業以来、配当を実施していません。配当政策は「成長過程にあり、内部留保の充実を図り、運転資金や設備投資、M&Aなどに充当することが最大の利益還元につながる」という考え方で、「配当実施の可能性及びその実施時期については未定」としています。自己株式の取得も行っていません。

2026年12月期の予想配当も、開示資料では示されていません。配当を目的とする投資には向かない銘柄で、株主にとっての魅力は、業績成長を通じた株価の上昇にあります。

一方で、希薄化(株式の増加による1株の価値の低下)の可能性があります。有価証券報告書によれば、新株予約権(従業員などに付与したストックオプション)が全て行使された場合の潜在株式は395,700株で、2025年12月末の発行済株式総数(5,124,800株)に対して7.72%です。行使価格は、第3回が1,000円(288,900株)、第4回が1,500円です。2026年8月27日の株価910円はいずれの行使価格も下回っており、現時点では行使のメリットが小さい水準です。株価が行使価格を超えて上昇した場合には、株式数が増える可能性があります。

ガバナンス・リスク

ガバナンス体制は、監査役会設置会社です。取締役会は、常勤の取締役5名と非常勤の社外取締役1名で構成され、代表取締役社長CEOの横井太輔氏が議長を務めます。会社の意思決定はCEOを中心とした体制で、社外取締役が1名という点は、独立した視点の厚みとして確認したいところです。

CEOによる債務保証:グループの銀行借入に対して、CEOの横井氏が個人で債務保証をしています。子会社の借入についても、子会社の代表者が債務保証をしています。保証料は支払っておらず、会社は金融機関との交渉を継続し、この債務保証を解消していく方針としています。関連当事者取引として開示されている点は誠実ですが、解消に至るまでは、借入条件がCEO個人の信用に一部依存する状態が続きます。

有価証券報告書に記載されている主なリスクは次のとおりです。

1. 「direct」への依存と建設業への集中

売上の大半を「direct」とその関連サービスが占め、顧客も建設業が中心です。建設投資の減速、競合サービスの台頭、価格改定に対する顧客の反応などによって、解約や単価に影響が出る可能性があります。2026年4月の価格改定の影響は、今後の契約社数やID数の動きで確認する必要があります。有価証券報告書は、経営計画に「実績をもとに一定の解約率を踏まえた継続率」を見込んでいると記載していますが、解約率の実績値や価格改定の個別の寄与額は開示されておらず、下期予想の保守性を数値で検証することはできません。

2. 大口取引先への依存

最大の取引先はトラストバンクで、売上高の22.0%(2024年12月期は25.1%)を占めます。割合は低下していますが、なお2割を超えています。同社との取引の変化は、業績に直接影響します。

3. プラットフォーム(AppleとGoogle)への依存

アプリの配信をAppleやGoogleのプラットフォームに依存しています。規約や手数料の変更が事業に影響する可能性があります。

4. のれんの減損リスク(M&Aの成否)

2025年12月末ののれんは4.87億円、2026年6月末は4.60億円で、純資産の約23%に相当します(当レポートの計算)。IU BIM STUDIOののれん4.46億円は、取得原価の配分が完了していない暫定的な金額で、償却期間も精査中です。今後、配分の結果でのれんの額や償却額が変わる可能性があります。

参考として、のれんの全額を減損したと仮定した場合(当レポートの試算)、2026年6月末の自己資本は約19.78億円から約15.19億円に減り、自己資本比率は57.4%から約50.9%になります。財務が直ちに危うくなる水準ではありませんが、M&Aの成否は損益に影響します。

5. 借入金と資金の使い道

2026年6月末の借入金は約11.03億円で、現金及び預金(17.40億円)の範囲内です。差し引きのネットキャッシュは約6.4億円で、財務には余裕があります(当レポートの計算。現金及び預金には3か月超の定期預金も含まれます)。2025年12月期の自己資本比率は63.1%から53.9%へ低下しましたが、上期は借入金の返済もあって57.4%へ回復しました。一方、今後もM&Aや投資を続けると、借入が増え、上期の水準から財務が再び変わる可能性があります。当座貸越枠は4億円が設定されています。

6. スタートアップ投資の損失リスク

投資事業は、未上場企業などへの投資を含みます。投資が損失になった場合は営業外損益に影響します。2025年12月期にも、投資事業組合運用損1,140万円が発生しています。金額は現時点で小さいものの、投資残高(4.45億円)が増えるほど、損益のぶれが大きくなる可能性があります。

7. 人材とセキュリティ

ソフトウェア開発や営業の人材確保、情報セキュリティ(顧客の現場データを預かる事業のため)は、事業を続ける上で重要なテーマです。同社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しています。

株主構成・株価情報

大株主(2026年6月30日現在、半期報告書)

※出典は半期報告書(2026年6月30日現在)です。有価証券報告書(2025年12月31日現在)ではWell Sideは同数の1,524,000株で持株比率29.73%、上位株主の合計は62.04%(上位11名)でした。持株比率の差は、2026年4月の株式発行で分母が増えたことによるものです。

株主名 所有株式数 持株比率
株式会社Well Side 1,524,000株 29.60%
横井 太輔(代表取締役社長CEO) 304,839株 5.92%
株式会社チェンジホールディングス 300,000株 5.82%
DCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合 261,000株 5.07%
アズワン株式会社 200,000株 3.88%
株式会社SBI証券 199,228株 3.87%
株式会社シーティーエス 130,000株 2.52%
楽天証券株式会社共有口 111,500株 2.16%
在間 文人 110,000株 2.13%
株式会社QTnet 80,000株 1.55%
上位10名の合計 3,220,567株 62.56%

上位10名で発行済株式の約6割を保有しています。筆頭株主のWell Sideは約3割を持ちます。同社とCEOとの関係は、今回確認した資料の範囲では分からないため、本レポートでは触れません。また、ベンチャーキャピタル(DCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合)が5%超を保有しており、株価の状況によっては、売却が需給に影響する可能性もあります(当レポートの見方)。市場で流通しやすい株式は、この上位株主分を除いた部分に限られます。

株価と投資指標

Yahoo!ファイナンスに掲載されていた2026年8月27日の終値で確認した指標です(取得時点の掲載日が古い可能性があります。最新の株価は各自でご確認ください)。

項目 数値
株価(2026年8月27日終値) 910円
時価総額 約46.8億円
PER(会社予想) 約26.0倍(予想EPS 35.06円)
PBR(実績) 約2.37倍(BPS 384.25円)
配当利回り 0.00%(無配)
年初来高値/安値 1,158円(2026年1月19日)/740円(2026年6月11日)

※PERは「株価÷予想EPS(会社予想の1株当たり純利益)」、PBRは「株価÷実績の1株当たり純資産」です。BPS 384.25円は、2026年6月末の自己資本(19.78億円。純資産から非支配株主持分約9万円を除いた額)を発行済株式数(5,147,665株)で割った値と整合しています。発行済株式数は、2025年12月末の5,124,800株から、2026年4月24日の譲渡制限付株式報酬としての第三者割当により22,865株増えています。予想EPSは、決算短信では35.11円(有価証券報告書では35.27円)と、株式数の基準で数銭~数十銭のずれがあります。

参考として、有価証券報告書に記載された2025年12月期の株価収益率は36.9倍(実績EPS 27.09円ベース)、株主総利回り(配当込みの株価の動きを示す指標)は153.3%で、比較対象のグロース市場250指数の107.2%を上回りました。2025年12月期中の株価は、最高1,543円、最低500円と、値動きの大きい期間でした。

グロース市場の銘柄は、業績の見通しや市場の心理で株価が大きく動きやすい傾向があります。PERが約26倍というのは、成長を織り込んだ水準ともいえますが、同業他社との比較データがないため、割高・割安の判断は本レポートでは行いません。

まとめ

L is Bは、建設現場向けビジネスチャット「direct」を軸に、売上の約95%を月額課金のストック収益が占める、安定性の高い収益構造をもつ会社です。2025年12月期は売上高が+33.8%、営業利益が約3.6倍に増え、2026年上期も増収率+33.4%を上回る営業利益+63.1%で、営業利益率は11.0%へ上昇しました。上期の営業利益は通期予想の約57%に達しています。

一方で、見ておきたい点もあります。

  • 成長の中身:契約社数の伸び(半年で15社増)は緩やかで、増収は単価やID数の拡大、M&Aの寄与が中心と考えられます。M&Aの効果が一巡した後の自力成長率が問われます。
  • M&Aと財務:2年続けてM&Aを実施し、借入金は約11億円、のれんは約4.6億円です。現時点でネットキャッシュは約6.4億円と余裕がありますが、IU BIM STUDIOののれんは暫定的で、アーンアウトの追加支払いも見込まれます。
  • 依存構造:トラストバンク向けが売上の22%、顧客は建設業に集中しています。
  • 株主構成:上位10名で約62.6%を保有し、CEOによる債務保証も続いています。
  • 株主還元:無配で、当面は内部留保を優先する方針です。ストックオプションによる希薄化の可能性(潜在株式7.72%)もあります。

今後のチェックポイントとして、次の3点が挙げられます。

  • 2026年12月期の通期決算で、営業利益が予想(2.66億円)を上回るか、下期の利益率がどう推移するか。
  • 価格改定後のARRと契約社数(解約が増えていないか)と、集計範囲をそろえたKPIの開示。
  • IU BIM STUDIOの取得原価配分の確定によるのれんの変化と、アーンアウトの支払い、およびCEOの債務保証の解消状況。

本レポートは、企業の開示資料(有価証券報告書、半期報告書、決算短信)に基づく情報整理であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任で行ってください。

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