企業概要
株式会社キャンディル(証券コード:1446、東京証券取引所スタンダード市場)は、東京都新宿区に本社を置く建築サービス関連事業の会社です。2014年8月に設立され、2018年7月に上場しました。「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」を理念に、「全ての建物に“キャンディル”」というビジョンを掲げています。持株会社であるキャンディルの下に事業会社を置くグループ体制で、連結従業員数は約590名(FISCO掲載値)です。
事業は単一セグメントですが、売上は次の4つのサービス区分に分けて開示されています(2026年9月期第3四半期累計・9カ月の売上構成比)。
- リペアサービス(構成比31.6%):住宅の引き渡し前に、建材や家具についたキズ・汚れを補修するサービスです。戸建住宅向けと集合住宅向けがあり、新築住宅の着工・竣工の動きに連動します。
- 住環境向け建築サービス(同29.3%):定期点検、小型修繕、各種施工、検査、コーティング、リコール対応など、住宅の品質を保つための周辺サービスです。
- 商環境向け建築サービス(同34.6%):店舗・商業施設・ホテル・オフィスなどの内装工事、家具の組み立て、揚重(資材を運び上げる作業)を手がけます。
- 商材販売(同4.5%):リペア材料やメンテナンス商材の販売です。
ビジネスモデルの特徴は、住宅・商業施設の「引き渡し前後」という、工期の最終盤に必要となる細かな工事・補修を、協力会社網を使って請け負う点にあります。2022年8月には、引越し大手のサカイ引越センターと資本業務提携を結びました。提携の狙いは、サカイ側の見積依頼・工事依頼の促進、リペアやリフォームの紹介と、キャンディル側からの引越しサービスの紹介や、サカイが対応できない組み立て家具の組み立てサービスの提供など、双方の顧客基盤を活用した相互送客にあります(提携に関する報道による)。同社は現在、サカイ引越センターが発行済株式の27.10%を保有する筆頭株主です。
また、過去に組織再編やM&Aを行った経緯があり、その際に発生したのれん(買収時に上乗せして支払った差額を資産計上したもの)の償却費を毎期計上しています。この点は、後述の業績分析で重要なポイントになります。
業績・財務情報
2025年9月期(第12期)実績と2026年9月期の会社予想
| 項目 | 2025年9月期(実績) | 2026年9月期(会社予想) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 138.61億円 | 150.00億円 | +8.2% |
| 営業利益 | 約4.2億円※ | 4.80億円 | +14.1% |
| 経常利益 | 4.17億円 | 4.60億円 | +10.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.96億円 | 2.00億円 | +1.8% |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 21.23円 | 21.54円 | +1.5% |
※2025年9月期の営業利益は、会社予想の前期比増減率(+14.1%)から逆算した概算値です。
2026年9月期の会社予想は、増収・営業増益を見込む一方、純利益の伸びは+1.8%と小幅にとどまります。経常利益(+10.2%)に比べて純利益の伸びが小さい背景には、のれん償却費が税務上の費用として認められにくく、税負担が重くなりやすい構造がある可能性があります(後述)。
2026年9月期第3四半期累計(2025年10月~2026年6月)の状況
| 項目 | 前年同期 | 当第3四半期累計 | 増減率 | 通期予想に対する進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 103.05億円 | 111.24億円 | +7.9%(過去最高) | 74.2% |
| 営業利益 | 3.17億円 | 4.06億円 | +28.3% | 84.7% |
| 経常利益 | 3.13億円 | 4.02億円 | +28.4% | 87.4% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 0.98億円 | 1.73億円 | +76.2% | 86.6% |
| 1株当たり四半期純利益 | 10.63円 | 18.65円 | +75.4% | 86.6% |
※前年同期の営業利益は316,906千円で、億円未満を四捨五入して3.17億円と表記しています(決算短信本文の百万円表記では316百万円)。増減率は千円単位の実数で算出しています。
9カ月累計では売上高が中間期に続き過去最高を更新し、各段階利益が大幅に増加しました。売上総利益率は36.7%(前年同期36.4%)、営業利益率は3.7%(同3.1%)と改善しています。会社側は、受注単価の上昇、採用強化や協力会社網の充実による労働力の確保が奏功したと説明しています。人的投資や子会社の事務所移転に伴う費用で販売費及び一般管理費は増加(前年同期比+7.2%)したものの、売上総利益の伸び(+9.0%)がそれを上回りました。
なお、同社はのれん償却費(9カ月で1.44億円)を販売費及び一般管理費に計上しており、これを足し戻したのれん償却前の経常利益は5.46億円(前年同期比+19.4%)、のれん償却前の親会社株主に帰属する四半期純利益は3.17億円(同+30.9%)です。のれん償却は現金の支出を伴わない費用であるため、本業のキャッシュ創出力を見る際にはこちらの数値も参考になります。
サービス区分別の売上高(9カ月累計)
| サービス区分 | 前年同期 | 当第3四半期累計 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| リペアサービス | 34.06億円 | 35.17億円 | +3.3% |
| 住環境向け建築サービス | 30.91億円 | 32.59億円 | +5.4% |
| 商環境向け建築サービス | 33.29億円 | 38.48億円 | +15.6% |
| 商材販売 | 4.79億円 | 5.00億円 | +4.3% |
| 合計 | 103.05億円 | 111.24億円 | +7.9% |
成長をけん引したのは商環境向け建築サービス(+15.6%)で、店舗・ホテル・オフィスなどの内装工事案件が増えたことによります。当第3四半期(4~6月)単独で計算すると、同区分は前年同期の8.02億円から10.48億円へ約+31%と、加速しています(決算短信の累計値と中間期の値から当レポートで算出)。一方、リペアサービスは戸建向けの売上が+3.2%、集合住宅向けが+3.5%と、「前年並み」の伸びです。
これは、リペアの需要が6カ月前の新設住宅着工戸数に連動するためです。国土交通省の統計では、新設住宅着工戸数(全体)は、中間期に対応する2025年4月~2026年3月累計が前年同期比87.1%でしたが、第3四半期累計に対応する2025年7月~2026年6月累計では97.3%と、減少幅が縮小しています(戸建は89.8%→99.9%、分譲マンションは78.8%→90.4%)。住宅市場の底打ちが進めば、リペア需要にとっては追い風になる可能性があります。
四半期ごとの季節性に注意
同社の四半期別の損益を、半期報告書(中間期)と決算短信(第3四半期累計)から差し引いて計算すると、第3四半期(4~6月)単独は営業損益・経常損益がマイナスになる傾向が見られます。
| 項目 | 前期 第3四半期単独 | 当期 第3四半期単独 |
|---|---|---|
| 売上高 | 31.07億円 | 34.06億円 |
| 営業損益 | ▲0.37億円 | ▲0.34億円 |
| 経常損益 | ▲0.37億円 | ▲0.41億円 |
(中間期累計と第3四半期累計の差として当レポートで算出。会社が四半期単独値として開示した数値ではありません。千円単位の実数では、営業損益は前期▲37,056千円、当期▲33,551千円です。)
前期も同様の傾向があったため、第3四半期に損益が落ち込むのは季節的な要因と考えられますが、その具体的な理由は資料上明示されていません。四半期の進捗率を評価する際は、単純な4分の1ずつの按分ではなく、この季節性を踏まえる必要があります。
通期予想が「据え置き」である点の読み方
通期の会社予想(営業利益4.80億円・経常利益4.60億円・純利益2.00億円)は2025年11月の期初予想から修正なしです。第3四半期累計の実績との差から、第4四半期(7~9月)に見込まれている利益は、営業利益で約0.74億円、経常利益で約0.58億円、純利益で約0.27億円にとどまります。前期の第4四半期は、経常利益が約1.04億円、純利益が約0.98億円でしたので、今期の予想は前期の第4四半期実績を下回る水準です。
これは第4四半期の実際の悪化見通しというより、会社側が保守的に予想を据え置いている可能性があると考えられます。ただし、決算短信では「投資有価証券評価損は四半期洗替方式を採用しており、今後、損失計上額が変動、または損失未計上となる可能性がある」との注意書きもあり(累計の評価損は0.15億円)、期末の株価水準次第で最終利益が動く余地がある点は留意が必要です。あくまで実績の差し引きによる読み方であり、通期着地を保証するものではありません。
財務の状況(2026年6月末)
| 項目 | 2025年9月末 | 2026年3月末(中間期末) | 2026年6月末(第3四半期末) |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 62.82億円 | 66.65億円 | 64.84億円 |
| 純資産 | 29.62億円 | 31.45億円 | 30.98億円 |
| 自己資本比率 | 47.1% | 47.2% | 47.8% |
| 現金及び預金 | 16.27億円 | 15.21億円 | 21.46億円 |
| 受取手形及び売掛金 | 19.16億円 | 24.39億円 | 16.91億円 |
| のれん | 17.30億円 | 16.34億円 | 15.86億円 |
| 借入金合計(短期+長期) | 12.20億円 | 11.60億円 | 14.30億円 |
自己資本比率(総資産に占める返済不要の自己資本の割合)は47.8%と、健全とされる目安の30~40%台を上回る水準です。現金及び預金は21.46億円あり、借入金合計(14.30億円)を上回るネットキャッシュ(現金が借入を上回る状態)を保っています。受取手形及び売掛金は、工事の請求が集中する中間期末に24.39億円まで膨らみましたが、第3四半期末には16.91億円まで回収が進み、現金が積み上がっています。
注意点として、借入金は第3四半期末に増えています。短期借入金(8.50億円)は取引銀行4行との当座貸越・貸出コミットメント契約(限度額8.50億円)による借入で、限度額いっぱいに実行されている状況です(2025年9月末・2026年3月末とも同様)。この契約には、純資産や経常利益をもとにした財務制限条項が付されています。加えて、長期借入金が第3四半期に1.5億円増加しました。現時点では現金が借入を上回っていますが、条項の内容(具体的な数値基準)は開示されておらず、業績の大幅な悪化局面では注意が必要です。
また、のれんが総資産の約24%(純資産の約51%)を占める点も財務上の特徴です。のれんは毎期の償却で減っていくため、現在の償却ペース(年間約1.9億円)が続けば計算上は8年強で償却が終わりますが、買収先の業績が悪化した場合には、減損損失(一括での評価切り下げ)が発生するリスクがあります。
実質的な稼ぐ力(EBITDAの目安)
EBITDA(営業利益に減価償却費とのれん償却費を足し戻した、現金ベースに近い利益の目安)で見ると、第3四半期累計は営業利益4.06億円+のれん償却費1.44億円+減価償却費0.29億円=約5.8億円です。単純に4分の3で割り戻した年換算では約7.7億円となりますが、前述のとおり第3四半期は季節的に利益が落ち込む時期であり、あくまで目安です。借入金合計14.30億円と比べても、償却前の稼ぐ力に対して有利子負債は重すぎない水準といえます。
キャッシュフローの傾向
| 項目 | 2025年9月期(通期) | 2026年9月期 中間期(6カ月) |
|---|---|---|
| 営業活動によるCF | +4.19億円 | +0.51億円(前年同期1.22億円) |
| 投資活動によるCF | ▲0.92億円 | ▲0.22億円 |
| 財務活動によるCF | ▲3.16億円 | ▲1.34億円 |
2025年9月期は、営業CFで約4.2億円を稼ぎ、投資CFを差し引いたフリーキャッシュフロー(自由に使える現金)は約3.3億円のプラスで、借入返済や配当に充てています。2026年9月期の中間期は、売掛金が5.23億円増加した影響で営業CFは0.51億円にとどまりましたが、前述のとおり第3四半期末にかけて売掛金の回収が進んでいます。なお、第3四半期累計のキャッシュ・フロー計算書は作成されていません。
成長戦略・将来性
同社が決算短信・半期報告書で示している戦略の柱は、次のとおりです。
- 受注単価の引き上げ:物価上昇や人件費上昇を、単価に反映することに努めています。
- 労働力の確保:採用活動を強化し、協力会社網を拡充しています。建設業界の慢性的な技能労働者不足に対応する施策です。
- 住宅関連・商業施設関連サービスの拡大:住宅(リペア・住環境向け)と商環境(内装)の2本柱で、売上の拡大を進めています。
- サカイ引越センターとの協業:相互の顧客紹介やサービス連携により、個人向け住まいサポートの拡大が期待されています。
事業環境を見ると、新設住宅着工戸数の減少(前述のとおり減少幅は縮小傾向)は、リペアサービスにとって逆風です。一方、商環境向けは、インバウンド(訪日外国人)需要の好調や都市部の再開発需要を背景に堅調で、住宅市場の低迷を商環境で補う構図になっています。半期報告書では、中東情勢の影響で塗料などの建設資材に供給制約が生じる可能性にも言及しています。
M&Aについては、過去の組織再編・M&Aで発生したのれんを償却中である点は前述のとおりです。今期の第3四半期累計の決算短信では、連結範囲の重要な変更や、新たな大型M&Aの開示はありません。中期経営計画の数値目標や設備投資計画については、当レポートで確認できた資料の範囲では特段の開示が見当たらず、この点を含めた同社の中長期の成長ビジョンは、同業他社との比較を含め他データによる確認が必要です。
分析上の視点として、商環境向けの好調が今後も続くかどうかが、通期予想を上回る着地となるかの分かれ目になりそうです。ただし、商環境向けは景気や店舗・ホテルなどの新規出店・改装の動きに左右されやすく、住宅向けほど安定していない可能性がある点は留意が必要です。
株主還元
| 項目 | 2025年9月期 | 2026年9月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 8.00円(期末) | 10.00円(期末) |
| 配当性向(配当金÷EPS) | 約37.7% | 約46.4% |
| 配当利回り(株価538円ベース) | ― | 約1.86% |
同社は2026年9月期に、1株当たり10円と前期比+25%の増配を予想しています(期末のみの年1回配当)。中間配当は実施していません。配当性向(純利益のうち配当に回す割合)は前期の約38%から約46%へ上昇する計算で、利益成長を上回るペースで株主への配分を増やす姿勢がうかがえます。配当総額は、自己株式を除く発行済株式数(約931万株)に10円を掛けて、およそ0.93億円です。
自己株式は、2026年6月末時点で142万1,600株(発行済株式総数の約13.2%)を保有しています。2025年9月末(147万500株)から約4.9万株減少しており、自己株式の処分によるものです(処分に伴い純資産が0.25億円増加)。
ガバナンス・リスク
同社は監査等委員会設置会社で、会計監査人はEY新日本有限責任監査法人です。中間連結財務諸表は同監査法人の期中レビューを受けており、「適正に表示していないと信じさせる事項は認められなかった」との結論が出されています。半期報告書では、役員の異動は開示されていません。取締役会の構成や社外取締役の比率、政策保有株式の詳細な開示は、今回確認した半期報告書・決算短信には含まれていません。
サカイ引越センターとの資本業務提携に際しては、サカイ側が同社の取締役候補者を1名推薦できる旨が提携内容として報じられています。
リスク面では、半期報告書は「事業等のリスクについての重要な変更はない」としています。決算短信・半期報告書の記載から、特に注目したいポイントは次の3点です。
1つ目は、のれんの減損リスクです。前述のとおり、のれんは総資産の約24%を占めます。買収した事業の収益力が想定を下回った場合、多額の減損損失が発生し、純資産や自己資本比率に影響する可能性があります。
2つ目は、住宅市場と建設コストの動向です。リペアサービスは新設住宅着工戸数に連動するため、住宅市場の低迷は売上に響きます。また、建設資材の価格高騰や供給制約、慢性的な技能労働者不足は、原価や人件費の上昇要因です。同社は受注単価の引き上げでこれを吸収しようとしていますが、単価転嫁が進まなければ利益率を圧迫します。
3つ目は、資金調達面の制約です。短期借入金は当座貸越の限度額いっぱいまで実行されており、財務制限条項も付されています。前述のとおり現在は現金が借入を上回っているものの、業績が悪化した場合には資金繰りの選択肢が狭まる可能性があります。
このほか、四半期決算で投資有価証券評価損(累計0.15億円)を特別損失に計上しており、保有する有価証券の時価変動が最終損益に影響する点にも注意が必要です。
株主構成・株価情報
2026年3月31日現在(半期報告書)の大株主は以下のとおりです。持株比率は、自己株式(同日現在1,431,600株)を除く発行済株式総数9,302,600株に対する割合です。なお、後述の自己株式数(142万1,600株)は2026年6月末(決算短信)の数値で、基準日が異なります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社サカイ引越センター | 27.10% |
| 林 晃生(代表取締役社長) | 21.46% |
| キャンディルグループ従業員持株会 | 2.33% |
| 大西 幸四郎 | 1.36% |
| 玄々化学工業株式会社 | 1.21% |
| 佐藤 一雄 | 0.81% |
| 阿部 利成 | 0.74% |
| 藤本 剛徳 | 0.73% |
| 藤原 泉 | 0.72% |
| 株式会社TRA | 0.36% |
| 上位10名合計 | 56.86% |
筆頭株主のサカイ引越センター(27.10%)と、代表取締役社長の林晃生氏(21.46%)の2者で、合計約48.6%を保有しています。事業提携先と経営トップが安定株主として大きな比率を占める構造で、経営の一貫性や提携関係の継続性が保たれやすい反面、市場で自由に売買される株式(流通株式)の比率は限られるとみられます。
発行済株式総数は1,073万4,200株(うち自己株式142万1,600株)、単元株式数は100株です。
株価指標(Yahoo!ファイナンス掲載値、株価は2026年9月7日終値時点)
| 項目 | 数値 | 算出根拠 |
|---|---|---|
| 株価 | 538円 | 2026年9月7日時点の表示 |
| 時価総額 | 約57.8億円 | 発行済株式総数(自己株式含む)ベース |
| PER(株価収益率) | 約25.0倍 | 会社予想EPS 21.54円ベース |
| PBR(株価純資産倍率) | 1.62倍 | 実績BPS 332.67円(2026年6月末時点)ベース |
| 配当利回り | 1.86% | 会社予想配当10円ベース |
| ROE(自己資本利益率) | 6.81% | 実績(2025年9月期) |
| 自己資本比率 | 47.8% | 決算短信(2026年6月末)※Yahoo!ファイナンス表示は47.1%(2025年9月末) |
| 52週高値/安値 | 598円/516円 | Yahoo!ファイナンス掲載値 |
PER(株価収益率)は株価が1株当たり利益の何倍かを示す指標で、数値が高いほど「利益に比べて株価が割高」と見られやすい目安です。PBR(株価純資産倍率)は株価が1株当たり純資産の何倍かを示し、1倍を下回ると解散価値以下とされます。ROE(自己資本利益率)は自己資本でどれだけ利益を稼いだかを示す指標で、一般に8~10%以上が一つの目安とされます。株価指標は外部サイトの表示値であり、株価は日々変動するため、最新の数値は証券会社のサイト等でご自身にてご確認ください。同業他社との比較(業界内での位置づけ)には、他データとの比較が必要です。
まとめ
キャンディル(1446)は、住宅や商業施設の引き渡し前後に必要なキズ補修・点検・内装工事などを手がける、ニッチな建築サービス企業です。2026年9月期は、9カ月累計で売上高が過去最高となり、営業利益・経常利益が約+28%、純利益が+76%と大幅に増加しました。のれん償却前でみても、経常利益は+19%、純利益は+31%と、本業の収益力が高まっている様子がうかがえます。
成長のけん引役は、店舗・ホテル・オフィスなどの内装工事を手がける商環境向け建築サービス(+15.6%)で、新設住宅着工の減少で伸び悩むリペアサービスを補っています。通期予想は据え置かれており、第3四半期までの進捗率は営業利益で約85%と高く、第4四半期に見込まれる利益は前期を下回る水準です。ただし、投資有価証券評価損の変動などの不確定要素もあり、着地は今後の決算で確認が必要です。
財務面では、自己資本比率47.8%、ネットキャッシュを維持する堅実な体質ですが、のれんが総資産の約4分の1を占める点、短期借入金が限度額いっぱいで財務制限条項が付されている点には注意が必要です。今期は年間配当を8円から10円へ増やす予想で、サカイ引越センターとの提携効果の広がりや、商環境向けの好調が続くかが、今後の注目ポイントとなりそうです。